平機関区の「ゆうづる」牽引機

昭和42年(1967)3月15日に平機関区(福島県)で撮影された写真です。
この時期、常磐線電化は草野まで進んでおり、この撮影の5ヶ月後である8月20日には、最後の非電化区間であった草野・岩沼間の交流電化が完成し、全線電化されています。

「ゆうづる」は、昭和40年(1965)10月1日のダイヤ改正により、それまでの急行「北斗」が格上げされる形で運行が開始され、平・仙台間でC62形蒸気機関車が牽引しており、同機が牽引する最後の特急列車でした。
ちなみに、その前後の区間は上野・平間がEF80形電気機関車、仙台・盛岡間はED75形電気機関車でした。

左:C62-22、右C60-11

写真はC62-22。
本機はD52-22のボイラーを流用して製造され、昭和23年9月に糸崎機関区に配属されましたが、翌年4月には水戸機関区へ、同12月に白河機関区。その後、昭和31年(1956)1月に大宮工場にて新缶への交換を行い、昭和37年(1962)11月に水戸機関区、昭和38年(1963)6月に平機関区へと配属になり、昭和42年(1967)11月24日に廃車となっています。

ヘッドマークのアップ。
かなり年期が入っているような痛み方ですが、使用開始してまだ1年半足らずのもの。

C62と言えば、函館本線の急行「ニセコ」がクローズアップされ、常磐線での「ゆうづる」牽引にはほとんど触れられることがありませんが、先に記したように本機による最後の特急列車牽引としての歴史がもっと知られてもよいのではないでしょうか。
本線用大形蒸気機関車には、ヘッドマークを付けた特急牽引が最も似合います。