大桐駅は、明治29年(1896)7月15日の官設鉄道北陸線福井延伸時には無く、輸送量が増えた明治41年(1908)3月1日に大桐信号所として開設され、同年6月1日に地元の要望から駅に昇格しました。
そして、昭和37年(1962)6月9日、北陸トンネル経由の新線供用開始に伴い、朝の通勤・通学列車をもって営業を終了し、翌10日に廃止となりました。
上の地形図は、現路線との位置関係をわかりやすくするため、旧線時代のものに新線で新しく設置された施設を書き加えたものです。
赤丸の今庄駅の位置は現在も同じであり動いてはいませんが、線形は今庄・南今庄間で若干ですが付け替えられています。
青丸の南今庄駅は、新線に切り替わった際に新しく設置された駅であり、旧線の大桐駅が廃止されるに伴い、地元の要望として代替駅として作られたものです。
その南今庄駅の西側には、北陸トンネルの今庄側入口があり青三角で示してあります。
旧線では、今庄駅を出た上り列車は山間部の狭い谷あいを進んで行きますが、大桐駅までの登り勾配は左程きついものではなく、山岳路線としての急勾配が始まるのは、大桐駅を発車後のことでした。
写真は、大桐駅の上りホーム端(敦賀寄り)から今庄方面に向かって撮影したもので、先頭は補機であるDF50形ディーゼル機関車です。
なお、ホームのカーブにより写真では見えませんが、その後ろには本務機である蒸気機関車が連結されており、そこから吐き出されている煙が上空に写っています。